フランスFrance 6節

あれこれやることがたくさんあると、息抜きに虫の方にも目を配り、はるか遠くの自然について、あーでもない、こーでもないと思いめぐらせる。
癒しの効果というか、頭をリセットするのにうまく作用しているように感じる深夜。
新規の写真ではないが、フランスのLucanus相について書いてみたい。
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これらは触角片状部が6節。
左・中は、cervusのhexaphyllusで、右は、tetraodonのprovincialis
見た目だけだと、ブルガリアやギリシアのとさほど違いがないように見えます。。。ラベル混合を考えると、なんと恐ろしい。
実際、フランスの6節個体群については、流通する標本サンプルの数もごくわずかで、それのみでは彼らの分布の全貌をつかむことは難しい、と感じています。
少なくとも、これまで集積されたデータからは、南北はプロヴァンスから、北限はリヨンあたりまで間に混生していることがうっすらわかるのだけれど、、、分布域の明確な線引きは現状不可能に近いでしょう。
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イタリア北部のtetraodonのように、局地的(飛び地的)に分布している可能性も高いように思われます。☞イタリア北部のtetraodon

特にcervusの場合、過去の論文で4節から6節の個体について、「型form.」と結論付けられたとしても、そうした考え方がフランスにおけるすべてのLucanus cervusに対応可能かと言われれば、そうではないといわざるをえません。

それに気づかせてくれるのが、以下の個体群。
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いわゆるfabianiです。

(慣習的にfabianiの名が使用されているが、この学名には、先行して記載されたpentaphyllusとの間に同定問題が存在していることを挙げなければならない。詳しくは別項に譲る。)

この個体群は、触角が4.5-5節で、きわめて安定した形態を示しています。
また、顎のかたちに至っては、cervusと認識されるものとは、決定的に異なることは一見して明らか。
さらには、ブリード飼育においても、cervusとは異質な印象をうけると聞きます。
そして分布域は、フランスのプロヴァンスにとどまらず、スペインまで至ります。これについては後日改めて。

南仏ピレネー山脈の麓の大型化する個体群を筆頭とするフランスのミヤマですが、その陰に隠れた地味~なLucanusたち。フランスのLucanus相は奥が深いことは間違いない。

というか、だれも関心がない(T_T)
by Ginettino | 2012-06-18 02:04 | 日々戯言 | Comments(0)

れんの博物学ライフの覚書スペース“オペルカ”. 主としてミヤマクワガタ Lucanus [Coleoptera, Lucanidae]に関することをあれこれつづってゆきます。「ミヤマは数見なきゃ語れない」


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